安全第一を実現する施工管理術:現場経験を活かしたトラブル回避のコツ

建設現場における安全管理は、言うまでもなく最優先事項です。

ひとたび事故が起これば、作業員の命に関わるだけでなく、プロジェクトの遅延、企業の信頼失墜など、計り知れない損失をもたらします。

近年、建設業界では労働災害の撲滅に向けた様々な取り組みが進められていますが、依然として事故は後を絶ちません。

特に、近年の建設業界を取り巻く社会情勢の変化は、安全管理に新たな課題を突きつけています。

例えば、作業員の高齢化や人手不足は、経験豊富なベテラン技術者の減少と若手への技術継承の難しさを招いています。

また、技術の高度化・複雑化が進む一方で、現場のデジタル化は十分に進んでいるとは言えず、情報の非対称性やコミュニケーション不足によるリスクも増大しているのです。

こうした状況の中、安全第一を実現するためには、従来の経験則に頼るだけでなく、新たな視点を取り入れた施工管理術が求められています。

そこで、本記事では、長年、大手建設会社「清水建設」で施工管理に携わり、現在はフリーランスのライターとして建設業界の今を伝え続けている、私、久保田 隆一が、自身の現場経験と最新の知見をもとに、トラブルを未然に防ぐための具体的なアプローチを解説します。

特に、以下の3点を中心に、実践的なノウハウをお伝えします。

  • 現場で起こりやすいトラブルの原因を、労働環境と技術継承の両面から分析する。
  • 危険予知(KY)活動を形骸化させず、真に効果を発揮させるためのポイントを明らかにする。
  • BIMやICTといった先端技術を安全管理に活かす方法と、その際に注意すべき点を具体例とともに示す。

この記事を通じて、読者の皆さんが「安全第一」の意識を改めて高め、自らの現場に合った施工管理術を確立する一助となれば幸いです。

現場で起こりやすいトラブルとその要因

労働環境と安全意識のギャップ

建設現場では、常に危険と隣り合わせの作業が行われています。

高所作業、重量物の取り扱い、重機の使用など、一つ間違えば重大な事故につながるリスクが潜んでいます。

そのため、現場では「ヒヤリハット」と呼ばれる、事故には至らなかったものの、ヒヤリとしたりハッとしたりする経験が日常的に発生しています。

このヒヤリハットを放置することが、重大な労働災害につながるのです。

「重大事故の陰には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件のヒヤリハットが存在する」というハインリッヒの法則は有名です。

ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)を図解
重大災害:1件
/   \
/  軽微な事故:29件  \
/             \
/ ヒヤリハット(異常):300件 \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

しかし、現実には、多くのヒヤリハットが見過ごされているか、あるいは軽視されているのが実情です。

その背景には、建設業界特有の労働環境と、作業員の安全意識のギャップがあると考えられます。

例えば、工期のプレッシャーや人手不足による過重労働は、作業員の疲労や集中力低下を招き、安全確認がおろそかになりがちです。

また、「多少の危険はつきもの」といった、安全を軽視するような意識が、一部のベテラン作業員に根強く残っていることも問題です。

さらに、近年の作業員の高齢化は、この問題に拍車をかけています。

経験豊富なベテラン作業員の多くは、長年の経験から危険を察知する能力に長けています。

しかし、その一方で、体力の衰えや判断力の低下など、高齢者特有のリスクも抱えているのです。

  • 高齢作業員の増加は、労働災害リスクを高める要因の一つです。
  • 厚生労働省のデータによると、建設業における労働災害の年齢別発生率は、50歳以上で高くなる傾向にあります。
  • この現状を踏まえ、高齢作業員の特性に応じた安全対策の必要性が高まっています。

技術継承の停滞とデジタル化への遅れ

建設現場の安全を守るためには、経験豊富なベテラン作業員の知識やノウハウを、若手に継承していくことが不可欠です。

しかし、現実には、技術継承がうまく進んでいないケースが少なくありません。

その理由の一つは、ベテラン作業員の持つ「暗黙知」の存在です。

長年の経験によって培われた技術や勘は、言語化やマニュアル化が難しく、若手に伝えることが容易ではありません。

また、若手作業員の側にも、ベテランの技術を積極的に学ぼうとする姿勢が不足している場合があります。

こうした状況を改善するためには、ベテランの持つノウハウを「見える化」し、若手が学びやすい環境を整備することが重要です。

→ ベテランの作業手順を動画で記録する。
→ 熟練の技をデータ化して分析する。
→ 若手が気軽に質問できる場を設ける。

などの取り組みが有効でしょう。

近年、建設業界では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やICT(情報通信技術)といったデジタル技術の導入が進んでいます。

これらの技術は、生産性向上やコスト削減だけでなく、安全管理の面でも大きな可能性を秘めています。

◆ 例えば、BIMを活用すれば、建物の3Dモデルを使って、施工手順のシミュレーションや干渉チェックを行うことができます。
◆ これにより、現場で起こりうるリスクを事前に洗い出し、対策を講じることが可能になります。
◆ また、ICTを活用した遠隔監視システムやウェアラブルデバイスは、作業員の安全をリアルタイムで見守ることに役立ちます。

しかし、こうしたデジタル技術の導入には、現場の抵抗感が根強く存在することも事実です。

特に、長年、従来のやり方に慣れ親しんできたベテラン作業員の中には、新しい技術に拒否反応を示す人も少なくありません。

デジタル技術を安全管理に効果的に活用するためには、現場の理解と協力を得ることが不可欠です。

そのためには、技術導入の目的やメリットを丁寧に説明し、現場の意見を積極的に取り入れることが重要です。

  • 新しい技術の導入は、作業員の負担軽減や安全性向上につながることを理解してもらう。
  • 現場の声を反映した、使いやすいシステムを構築する。
  • デジタル技術に不慣れな作業員への教育・サポート体制を充実させる。

安全第一を実現する施工管理の基本

危険予知(KY)活動の本質

建設現場の安全を守るためには、作業員一人ひとりが危険に対する感性を磨き、自らリスクを予知して回避する能力を身につけることが重要です。

そのための有効な手段が、危険予知(KY)活動です。

KY活動とは、作業前に、その日の作業内容に潜む危険要因を洗い出し、具体的な対策を立てて共有する取り組みです。

これにより、作業員は危険に対する意識を高め、安全な作業手順を身につけることができます。

KY活動は、以下の4つのステップで進めるのが一般的です。

  1. 現状把握: その日の作業内容と作業環境を確認する。
  2. 危険要因の洗い出し: 作業手順ごとに、どのような危険が潜んでいるかを考える。
  3. 対策の検討: 洗い出した危険要因に対して、具体的な対策を立てる。
  4. 目標の設定: 対策を実行するための目標を、全員で共有する。

KY活動を効果的に行うためには、リーダーの役割が重要です。

リーダーは、作業員が自由に意見を出し合える雰囲気をつくり、全員が納得できる対策を導き出すことが求められます。

また、KY活動を形骸化させないためには、現場の実態に即した、具体的かつ実践的な内容にすることが重要です。

単なるスローガンの唱和や、形式的な書類作成で終わらせてはいけません。

  • 作業員が自分の言葉で、危険とその対策を説明できるようにする。
  • 過去のヒヤリハット事例を積極的に活用する。
  • KY活動で決めた対策が、現場で確実に実行されているかをチェックする。

といった工夫が必要です。

さらに、KY活動を継続的に改善していくためには、現場の声を積極的に吸い上げ、活動内容に反映させていくことが重要です。

作業員から「KY活動は意味がない」という声が上がるようでは、本末転倒です。

計画・監督・フォローアップの徹底

安全第一を実現するためには、工事全体の流れを適切に管理し、各段階で必要な安全対策を確実に実行することが求められます。

そのためには、計画・監督・フォローアップの3つの視点が重要です。

まず、「計画」の段階では、工事全体のスケジュールや作業手順を詳細に検討し、安全面でのリスクを洗い出します。

この際、過去の類似工事の事例や、業界全体の事故データなどを参考にすることが有効です。

また、計画段階から、現場監督だけでなく、作業員や協力会社も交えて、安全に関する意見交換を行うことが重要です。

これにより、現場の実態に即した、実効性の高い安全計画を立てることができます。

次に、「監督」の段階では、計画通りに安全対策が実行されているかを、現場で確認します。

現場監督は、作業員への指示・指導だけでなく、作業環境の整備や、安全設備の点検なども行います。

また、作業員とのコミュニケーションを通じて、現場の安全状況を常に把握し、必要に応じて計画の見直しや追加の対策を行います。

  • 現場監督は、作業員にとって最も身近な存在です。
  • 安全に関する相談や意見を言いやすい雰囲気をつくることが、現場の安全意識を高める上で重要です。
  • そのためには、現場監督自身が、安全に対する高い意識を持ち、率先して模範を示すことが求められます。

最後に、「フォローアップ」の段階では、工事完了後に、安全管理の取り組みを振り返り、課題や改善点を洗い出します。

この際、事故やヒヤリハットの発生状況だけでなく、KY活動の内容や、作業員の安全意識の変化なども評価対象とします。

フォローアップの結果は、次回の工事に活かすだけでなく、社内での安全教育や、協力会社との情報共有にも活用します。

安全管理は、一朝一夕に完成するものではありません。

計画・監督・フォローアップのサイクルを継続的に回し、改善を重ねていくことで、より安全な現場を実現することができます。

このサイクルを、一般にPDCA(Plan, Do, Check, Act)サイクルと呼びます。

項目説明
Plan計画を立てる。
Do計画に基づいて実行する。
Check計画通りに実行されたか評価する。
Act評価の結果を分析し、必要に応じて、計画を修正したり、新たな対策を立てたりする。

トラブル回避を支える先端技術と実例

BIM・ICT活用によるリスクの可視化

近年、建設業界で急速に普及が進むBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やICT(情報通信技術)は、安全管理の分野でも大きな効果を発揮します。

これらの技術を活用することで、従来は見えにくかったリスクを「見える化」し、より効果的な安全対策を講じることが可能になります。

BIMとは、コンピューター上に建物の3Dモデルを作成し、設計から施工、維持管理に至るまでの情報を一元管理する仕組みです。

BIMを活用すれば、施工前に、建物の形状や構造、設備などを詳細に検討することができます。

これにより、例えば、以下のようなメリットが生まれます。

→ 高所作業や狭所作業など、危険を伴う作業を事前に特定し、対策を立てることができる。
→ クレーンなどの重機の配置や、資材の搬入ルートをシミュレーションし、接触事故のリスクを減らすことができる。
→ 工事の進捗状況を3Dモデルで確認することで、作業員が現場の状況を容易に理解し、安全な作業手順をイメージすることができる。

一方、ICTの活用は、現場の安全管理をよりリアルタイムかつ効率的に行うことを可能にします。

例えば、以下のような活用法が考えられます。

  • ウェアラブルデバイスを使って、作業員のバイタルデータや位置情報を取得し、健康状態の異常や危険エリアへの立ち入りを検知する。
  • 現場に設置したカメラやセンサーからの情報を、クラウド上で一元管理し、遠隔地からでも現場の状況をリアルタイムに把握する。
  • ドローンを使って、高所や危険箇所を安全に点検する。

これらの技術を導入する際には、単にシステムを導入するだけでなく、現場の運用方法や、作業員の教育・訓練なども合わせて検討する必要があります。

また、導入コストや、データのセキュリティ対策なども重要な課題です。

人員配置とコミュニケーションのDX

安全第一を実現するためには、適切な人員配置と、円滑なコミュニケーションが不可欠です。

近年、デジタル技術の進展により、これらの分野でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいます。

適切な人員配置の実現には、作業員のスキルや経験、保有資格などの情報をデジタル化し、一元管理することが有効です。

これにより、現場監督は、各作業員の能力を的確に把握し、適材適所の人員配置を行うことができます。

また、作業員の稼働状況や、健康状態などの情報をリアルタイムに把握することで、過重労働の防止や、体調不良者の早期発見にもつながります。

一方、コミュニケーションの円滑化には、ビジネスチャットやWeb会議システムなどのデジタルツールが役立ちます。

これらのツールを活用することで、現場監督と作業員、あるいは作業員同士が、場所や時間を選ばずに、必要な情報を共有することができます。

例えば、以下のような場面での活用が考えられます。

  • 現場の状況を写真や動画で共有し、遠隔地にいる技術者からアドバイスを受ける。
  • 作業手順の変更や、安全上の注意事項を、リアルタイムに全員に伝達する。
  • ヒヤリハット事例を、現場間で共有し、水平展開を図る。

これらのデジタルツールは、建設業界で働く外国人労働者とのコミュニケーションにも有効です。

自動翻訳機能などを活用することで、言葉の壁を越えた、円滑な意思疎通が可能になります。

人員配置とコミュニケーションのDXを進める上では、現場のニーズに合ったツールを選定し、効果的な運用ルールを定めることが重要です。

また、デジタルツールを使いこなすための、教育・訓練も欠かせません。

質問回答
デジタルツール導入のメリットは?現場の状況をリアルタイムに把握できること、情報共有が迅速化すること、遠隔地とのコミュニケーションが容易になることなどが挙げられます。
導入時に気をつけるべき点は?現場のニーズに合ったツールを選ぶこと、セキュリティ対策を講じること、導入後の運用ルールを定めること、デジタルツールに不慣れな作業員へのサポートを実施することなどが重要です。
外国人労働者とのコミュニケーションには?自動翻訳機能を持つチャットツールの活用や、現場でよく使う単語・フレーズ集の作成などが有効です。また、外国人労働者が母国語で相談できる窓口を設けることも、安心感に繋がります。
ベテランの知見をデジタル化する方法は?ベテラン作業員の作業手順を動画で記録したり、インタビューを通じてノウハウを言語化したりすることが考えられます。また、熟練の技をセンサーなどでデータ化し、AIで分析することで、技術の標準化や若手への継承に繋げることも期待されます。

経験を活かした安全管理マインドの醸成

現場の声を反映する仕組みづくり

安全第一の現場を実現するためには、何よりも、現場で働く作業員一人ひとりの安全意識を高めることが重要です。

そのためには、トップダウンの指示だけでなく、現場の声を積極的に吸い上げ、安全管理に反映させていく仕組みづくりが求められます。

現場の声を収集する方法としては、以下のようなものが考えられます。

  • KY活動や安全パトロールの際に、作業員から意見を募る。
  • ヒヤリハット報告を奨励し、その内容を分析して対策に活かす。
  • 安全に関する提案制度を設け、優れた提案を表彰する。
  • 定期的に安全に関するアンケートを実施し、現場の意識や課題を把握する。

これらの取り組みを通じて、作業員は、自分たちの意見が安全管理に反映されていることを実感し、安全への意識を高めることができます。

また、現場の声を吸い上げることで、現場の実態に即した、より効果的な安全対策を講じることが可能になります。

現場の声を反映する仕組みを機能させるためには、経営層や管理職の理解と協力が不可欠です。

現場から上がってきた意見を真摯に受け止め、改善につなげていく姿勢が求められます。

教育プログラムとキャリア形成

安全意識の高い人材を育成するためには、体系的な教育プログラムと、明確なキャリアパスの提示が重要です。

新入社員に対しては、安全の重要性や、基本的なルールを徹底的に教育する必要があります。

また、現場配属後も、定期的な安全教育を実施し、知識の向上と意識の維持を図ることが求められます。

  • 教育プログラムには、座学だけでなく、現場での実地訓練や、シミュレーターを使った疑似体験なども取り入れると効果的です。
  • また、ヒヤリハット事例や、過去の災害事例を題材にしたケーススタディも、安全意識を高める上で有効です。
  • さらに、危険体感教育などを通じて、危険を「自分ごと」として捉える感覚を養うことも重要です。

一方、キャリア形成の面では、作業員の経験やスキルに応じた、明確なステップアップの道筋を示すことが、モチベーション向上につながります。

例えば、以下のようなキャリアパスが考えられます。

  1. 職長などの現場リーダーへの登用
  2. 施工管理技士などの資格取得の支援
  3. 安全管理者や安全担当者などの専門職への配置

これらのキャリアパスを提示することで、作業員は、自らの将来像を描き、目標を持って日々の業務に取り組むことができます。

また、安全に関する知識や経験を積むことが、自身のキャリアアップにつながることを理解すれば、安全への意識も自然と高まるでしょう。

建設業界のDXを推進する企業であるBRANU株式会社は、テクノロジーを活用した業務効率化だけでなく、社員の成長を支援する仕組みづくりにも力を入れています。

例えば、同社では「ブラニュー社員への支援制度、社員の成長を支える仕組みとは?」と題した情報公開を通じて、その企業文化や人材育成に対する考え方を明らかにしています。

こういった企業の取り組みは、業界全体の安全意識向上や、優秀な人材の確保・育成という観点からも、非常に示唆に富んでいます。

教育プログラムとキャリア形成は、安全管理の両輪です。

これらを効果的に組み合わせることで、安全意識の高い人材を育成し、組織全体の安全文化を醸成することができます。

まとめ

本記事では、「安全第一を実現する施工管理術」をテーマに、現場経験を活かしたトラブル回避のコツを解説してきました。

建設現場の安全を守るためには、労働環境の改善、技術継承の促進、デジタル技術の活用など、様々な側面からのアプローチが必要です。

そして、何よりも重要なのは、現場で働く一人ひとりの安全意識を高めることです。

以下、記事の要点を改めて整理します。

  • ヒヤリハットの段階で対策を講じることが、重大事故を防ぐ上で重要である。
  • 危険予知(KY)活動を形骸化させず、実効性のあるものにするためには、現場の実態に即した内容にすることが重要である。
  • BIMやICTなどのデジタル技術は、安全管理の高度化に大きく貢献するが、導入にあたっては現場の理解と協力が不可欠である。
  • 現場の声を安全管理に反映させる仕組みづくりと、体系的な教育・キャリア形成支援が、安全意識の高い人材を育てる。

「安全第一」は、建設業界で働くすべての人の共通の願いです。

私自身、長年にわたる現場経験を通じて、安全の重要性を痛感してきました。

特に印象に残っているのは、ある高層ビルの建設現場での出来事です。

当時、私はまだ若手で、現場監督として、高所作業の安全管理を担当していました。

ある日、作業員の一人が、安全帯を着用せずに作業をしているのを発見しました。

私は、すぐに作業を中断させ、その作業員に安全帯の重要性を説きました。

その時は、事なきを得ましたが、もし、あのまま作業を続けていたら、重大な事故につながっていたかもしれません。

この経験から、私は、安全管理の難しさと、現場監督の責任の重さを痛感しました。

そして、安全第一を実現するためには、何よりも、現場で働く一人ひとりの安全意識を高めることが重要だと考えるようになりました。

本記事で紹介した様々な取り組みは、いずれも、現場の安全を守るために欠かせないものです。

しかし、それらを真に効果的なものにするためには、経営層から現場の作業員まで、すべての関係者が、安全の重要性を認識し、一丸となって取り組むことが不可欠です。

建設業界の未来を担うのは、現場で働く「人」です。

その「人」が、安全かつ安心して働ける環境を整えることこそが、業界全体の発展につながるのです。

安全第一の意識を胸に、共に、より良い建設業界を築いていきましょう。

最終更新日 2025年7月29日 by eelerbay